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Jam Studio #3 成果につながる採用サイトはどう設計する?〜採用戦略の基本とプロセス〜 

Studio

2026.05.08

Updated:2026.05.08

第3回となるJam Studioでは、成果につながる採用サイト設計をテーマにイベントを開催。株式会社ベイジ代表・枌谷力氏を迎え、求職者ファーストな採用戦略や、実践的なコンテンツ設計について解説いただきました。

4月7日(火)、Studioオフィスにて「成果につながる採用サイトはどう設計する?」をテーマにしたイベントを開催しました。

株式会社ベイジ代表・枌谷力氏をゲストに迎え、採用サイト制作の基本から、7,000人以上の社員アンケートと1万人規模の市場調査をもとにした実践的な設計手法まで解説。さらに後半では、事前に寄せられた20件以上の質問に答えるQ&Aセッションも行われ、現場のリアルな課題に向き合う議論が展開されました。

本記事では、当日のセッションを振り返りながら、ベイジ社が考える採用サイト戦略についてお届けします。

<プロフィール>

枌谷力
株式会社ベイジ代表取締役

​採用課題を戦略/技術/コンテンツで解決する会社、ベイジの代表兼CEO。新卒でNTTデータ入社後、28歳でデザイナーに転身。制作会社を2社経験したのちフリーランスとして独立。2010年にベイジ創業。採用のみならず、マーケティング、デザイン、マネジメント、経営、コンテンツ等、幅広いテーマで情報を発信。『オウンドメディアの教科書』著者。登壇執筆多数。Xのフォロワー数は10万人以上。2022年4月福岡移住。

採用サイトの本質的な価値は「波及効果」にある

採用サイトをリニューアルする際、多くの企業が期待するのは自己エントリーの増加です。

人材紹介の仲介手数料は平均100万円前後かかることを考えると、直接応募が増えれば大きなコスト削減になります。ただ枌谷さんは「年間採用数が数十名、数百名を超える企業には一定の効果があるが、それ以下の規模だと自己応募が爆発的に増えるとは限らない」と指摘。

それ以上に重要なのは、採用サイトがもたらす「波及効果」です。「スカウトの返信率が如実に変わります。例えば大手転職サイトから送ったスカウトの平均返信率は5〜8%とも言われているなか、ベイジは20%前後。カジュアル面談で理由を聞くと、採用サイトが充実していたからという声が多い。求職者はスカウトを受け取った後に採用サイトを見て返信を判断しているので、サイトの充実度が直接影響します」(枌谷)

ちなみに、この成果の源泉となっているベイジの採用サイトは、2025年にStudioでリニューアルされています。

また、見落とされがちな観点として、選考途中の候補者への影響についても言及。
ベイジが独自に行った調査(※)では、選考中に採用サイトを再訪問する応募者が6〜7割になっていることから「次の選考前に面接対策として見たり、内定後に入社判断の材料として確認したりするケースも多いのではないか」と推測。応募前だけを考えるのではなく、選考プロセスを離脱させないプロセスの設計として採用サイトが重要であることを強調しました。

※株式会社ベイジが実施した求職者の実態調査結果

大原則は「徹底的に求職者に誠実な採用サイト」

採用サイトの設計に入る前段として、ベイジではWho/What/Howというマーケティングでよく使われるフレームワークをベースに戦略を組み立てています。なぜ作るのか(Why)、誰に向けたサイトか(Who)、何の価値を提供するか(What)、どう実現するか(How)、そしてResearchを加えて検討を進め、各フェーズにリサーチを挟みながら方向性を固めていきます。

「採用担当と制作会社だけで密室で考えていても、ユーザーは不在のまま。仮説をリサーチで裏取りすることが不可欠です」(枌谷)

戦略・企画を経てコンテンツの設計に入る際、ベイジでは必ず起点に置く原則が2つあります。

ひとつは「求職者ファースト」。
採用サイトは放っておくと企業ファーストになりがちです。発注企業には「自分たちをこう見せたい」という意識が強く、制作側もクライアントの意向に沿おうとする。その結果、求職者が何を必要としているかという視点が失われていく。
「求職者目線で何を優先すべきかを言い続けるのが、制作会社としての責任だと思っています」と枌谷さんは話します。

2つ目が「コンテンツドリブン」。「求職者はコンテンツを見に来ています。演出ではなく、情報そのものを求めてサイトを訪れる。文章だけでなく写真や動画も含めたコンテンツを起点に設計することが、採用サイトの本質です」(枌谷)

この2つの原則を満たすために、具体的なコンテンツ設計で実践しているのが以下「7つのセオリー」で、いずれも7,000人以上の社員アンケートと1万人規模の市場調査から導き出されたものです。

・募集要項
・不安の解消を優先すること
・フェアネス
・具体性
・コンテンツ量
・適切な演出
・臨場感

各フレームワークやセオリーの詳細はベイジのブログやYouTubeで解説されています。ぜひ合わせてご覧ください。

Q&A|参加者から寄せられた質問ハイライト

後半セッションのQ&Aでは、採用担当者から制作会社・デザイナーまで幅広い参加者から事前にいただいた質問にお答えしました。
採用戦略・採用サイトに関する質問の中から、いくつかのハイライトをご紹介します。

採用戦略について

質問:採用サイトのKPIとして「応募数の増加」が挙げられると思いますが、それ以外に、副次的な効果や狙いとして重視されている指標や成果があれば教えていただきたいです。

枌谷:採用サイトのKPIとしては応募数の増加が注目されやすいですが、それに加えて採用活動全体に与える影響も重要なポイントになります。例えば、スカウトの返信率は採用サイトの内容によって変化することが多く、求職者はスカウトを受け取った後にサイトを確認し、その情報をもとに返信を判断しています。

また、応募数だけでなく応募の質にも影響します。仕事内容やカルチャーを具体的に伝えることで、自社にフィットした人材からの応募につながりやすくなります。

さらに、選考中の意思決定にも関わってきます。求職者は選考の途中で採用サイトを見返しながら企業理解を深めたり、入社を検討する際の材料として活用しています。このように採用サイトは、応募のきっかけづくりに加えて、求職者の理解や判断を支える役割も担っています。

そのため、KPIは応募数だけでなく、返信率や応募の質、選考の進みやすさなど、採用全体の成果として捉えることが重要です。

質問:採用ペルソナの作り方は?また、企業が求める人物像と実際の求職者にギャップがある場合はどうすればいいですか?

枌谷:ベイジでは、採用においてペルソナを細かく作り込むことはあまりしていません。作り込みすぎるとかえって採用の幅が狭まってしまうためです。その代わりに、スキル・キャリア・キャラクターの3つの軸で、ある程度余白を持たせた人物像を定義しています。

現場と採用担当の認識ギャップはどこでもよく起きます。これは基本的に組織内のコミュニケーション不足なので、まずちゃんと現場と話し合うことが先決です。可能な場合はワークショップを行い、一緒にディスカッションすることで認識を擦り合わせます。

質問:AIの普及で採用はどう変わりますか?

枌谷:AIの普及により、志望動機や課題にAIを活用する求職者も増えており、アウトプットだけで評価することが難しくなりつつあります。 現時点ではAI特有の粗さから見分けられる場面もありますが、今後はその差も見えにくくなっていく可能性があります。

こうした変化の中で、アウトプットの完成度だけでなく、面接での受け答えや態度といったプロセスを通じて、 素直さや自分ごと化する力、コミュニケーション力などのポータブルスキルを見ていく重要性が高まっていきそうです。

質問:どれくらいの組織規模になったら採用専任の担当者を置くべきですか?成果を出している採用担当者の共通点を教えてください。

枌谷:あくまで私の主観になりますが、年間採用数が10名を超えるあたりから、専任の担当者を置いた方がよいかもしれません。
例えば、10名採用するために100人以上へアプローチが必要になると、面接や日程調整、応募者管理を兼務でこなすのは現実的に難しくなります。そのため、10名前後が一つの分岐点になると考えています。

採用担当者の評価は難しい側面がありますが、共通点として感じているのは、社内での交渉力や影響力です。
採用業務は採用担当だけで完結するものではないため、社内を巻き込みながら進めていく力が求められます。
実際に、マーケターや営業として実績を出してきた人が採用責任者を担っているケースは、うまく機能している印象があります。現場と良好な関係を築き、協力を引き出せる人が成果を出しやすいといえます。

質問:新卒採用における最近の学生の傾向について教えてください。

枌谷:「今の学生が何を重視しているか」より「自分の会社が学生にどう見えているか」の方がはるかに大事です。学生全体の平均に合わせても、自社に来てくれるかどうかはわからない。実際に学生に会って、自社についてどんな印象を持つか・何を変えたら魅力的に見えるかを直接聞くことが一番の近道です。

社会貢献度を訴求した方がZ世代に有効だという意見もありますが、ベイジの調査データ上では、新卒と中途で社会貢献性の重要度に大きな差は見られていません。
そのため、自社のビジネスや求める人材の特性に応じて判断することが重要であり、一般論に引きずられすぎないことが大切だと考えています。

採用サイトについて

質問:採用サイトのコンテンツ設計を提案する際に、クライアントから求職者ファーストの情報を引き出すコツはなんでしょうか?

枌谷:あえて率直にお伝えすると、クライアントである企業側の話だけに偏る必要はないと考えています。重要なのは、求職者や社員の声です。特に、採用ターゲットと近しい入社3年以内の社員に対して、入社前にどのようなイメージを持っていたのか、何が入社の決め手になったのかをヒアリングした上で、採用担当者と議論を行うことで、事実に基づいた深い会話が可能になります。

質問:採用サイトの集客はどうすれば良いでしょうか?

枌谷:採用サイトそのものに大きな集客力があるわけではありません。 求職者と企業の接点は、転職サイトやエージェント、スカウト、SNS、リファラルなどに限られています。

そのため、会社や職種ごとの特性に応じて、自社に合ったチャネルを活用しながら採用サイトへ誘導していくことが重要です。 また、一般的なWebサイトで重視されるSEOについては、採用サイトにおいては大きな効果は期待しにくいと考えています。

質問:採用広報をどう設計すべきだと思いますか?

枌谷:まず「採用広報」や「採用ブランディング」といった概念は曖昧なため、これらの言葉を前提に議論するのではなく、分解して考えることが重要です。
アプローチは、ターゲットが顕在層か潜在層かによって変わります。顕在層に対しては、公式SNSやYouTubeなどを通じて社内の様子を可視化していくことが有効です。

一方で、まだ会社のことを知らない潜在層に対して、転職の際に第一想起してもらうためには、採用文脈に限らないマーケティングやコーポレートブランディングが必要になります。ただし、こうした取り組みはコストもかかるため、まずは顕在層向けの施策の効果が頭打ちになってきた段階で、潜在層への投資を検討していくのが現実的な流れです。

質問:動きのある演出は採用サイトに効果がありますか?

枌谷:基本的にはあまりないと思っています。ただ、明確な意図がある場合は例外です。
以前、障害者の児童支援施設を運営する企業の採用サイトを制作した際は、活気があって若手社員が活躍している様子と福祉業界へのイメージが良い意味でギャップがあったので、あえて動きや演出を設計しました。
表現の技を競うためではなく、業界のイメージを覆す必要がある場合など明確な目的があれば、演出は有効になります。

質問:採用サイトにおけるコピーライティングやUXライティングについて、求職者に伝わる言葉にするために、特に意識しているポイントはありますか?

枌谷:採用サイトにおけるコピーライティングでは、「具体性」と「ストーリー性」が重要だと考えています。ポエムのような抽象的な表現ではなく、実際の制度や取り組みなどを具体的に言葉にしていくことが求職者にとっての判断材料になります。

加えて、会社の「成長ストーリー」をきちんと伝えることも大切です。どのような市場に向き合っているのか、なぜその事業を行っているのか、そして自社がどのような優位性や可能性を持っているのかといった点を、言葉として説明していく必要があります。

質問:採用サイトを制作する際、採用トレンドはどの程度意識して設計されていますか?

枌谷:採用トレンドについては、あまり強く意識していません。
動画視聴の増加や、業種によってはTikTokのようなチャネルが使われるといった「行動のトレンド」はあるものの、それ以上に重視しているのは、自社と求職者との関係性です。
どのような人に来てほしいのか、その人たちに対して何を伝えるべきかといった点を軸に設計することが重要であり、トレンドそのものに合わせることは優先度として高くはありません。

【ベイジのレクチャー付き】採用サイトテンプレート販売中

Studio Storeでは、実際に運用されているベイジの採用サイトをベースにした採用サイトテンプレートを販売しています。今回お話しいただいた、求職者ファーストな「コンテンツ中心設計」の考え方をふんだんに盛り込んだ構成になっています。

本テンプレートの購入者特典として、ベイジによる「導入レクチャー(1h)」と「質疑応答(1h)」の合計2回分のセッションを受けることができます。テンプレートとあわせて、ベイジの採用サイト制作のノウハウを吸収するチャンスにご活用ください。

【ベイジ流】コンテンツ中心設計の採用サイト

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