導入事例ページの作り方|取材から事例記事の構成・更新まで
村上 悠希
Updated:
導入事例ページの作り方を、取材から公開後の更新まで解説します。読者が自分に近い1本にたどり着ける一覧の設計、課題→検討→導入→結果で組む事例記事の構成、取材の承諾の取り方と数値を引き出す質問の型、更新が止まらない運用までをまとめました。

村上 悠希
Updated:
導入事例ページの作り方を、取材から公開後の更新まで解説します。読者が自分に近い1本にたどり着ける一覧の設計、課題→検討→導入→結果で組む事例記事の構成、取材の承諾の取り方と数値を引き出す質問の型、更新が止まらない運用までをまとめました。

自社サイトに導入事例のページを作るとき、最初に決まりやすいのは「何本載せるか」です。ただ、公開後に成果を分けるのは本数ではありません。業種や企業規模、抱えている課題が自社と近い1本に読者がたどり着けるか。そしてその1本が社内で説明する材料としてそのまま使えるか。効いてくるのはこの2つです。
BtoBの買い手は、検討の途中で「同じような会社がうまくいっているか」を確かめることがよくあります。事例が20本あっても、自分に近い1本が見つからなければ判断材料になりません。逆に3本しかなくても、業種と規模が近い1本が含まれていれば、読者はその1本を手がかりに検討を進められます。
取材の進め方から1本の構成、公開後の更新までをまとめました。これから事例ページを作る方、すでにあるページを作り直す方の参考としてご活用ください。
なお、BtoB向けLPの中で事例をどう見せるかはBtoB向けLPの作り方、事例ページを含めたサイト全体の構成はBtoBサイトの構成と作り方で扱っています。
事例ページには3つの役割があります。サービスを知ったばかりの読者に実績を示す役割、他社と比べている読者に判断材料を渡す役割、社内で稟議を通す読者に転記できる材料を渡す役割です。読者が検討のどの段階にいるかで必要な中身が変わるため、まずどの役割を主に担わせるかを決めると、載せる情報の粒度が決まります。
初めてサービスを知った読者に対する役割です。この段階の読者は、まだ自社に合うかを判断していません。「導入している会社が実際にある」という事実が伝われば足ります。
ここではロゴの掲載や社名の一覧でも機能します。読者が求めているのは詳細ではなく、検討を進める価値があるかどうかを判断するための情報だからです。
他社と比べている段階の読者に対する役割です。ここからは導入企業のロゴだけでは足りません。どんな課題を持っていた会社が、何と比べて選び、導入後に何が変わったかが必要になります。
この段階で読者が探しているのは、自社と条件が近い会社の話です。業種が同じ、規模が同じ、抱えている課題が同じ。どれか1つでも重なると、書かれている結果を自社に置き換えて読めるようになります。
デザインチームの採用サイトを新たに立ち上げたトヨタファイナンスでは、選定時に他社の事例記事が判断材料の1つになっています。同社のリードデザイナーは、次のように話しています。
また、トヨタファイナンシャルサービスの事例をはじめ、当社と同じ金融業界の企業がStudioを活用していることを「導入事例インタビュー」の記事で知れたことも安心材料の1つでした。
セキュリティ要件の確認やデザインの自由度など、判断材料は他にもありました。そのうえで、同じ業界の会社が使っているという事実が安心材料の1つとして働いています(トヨタファイナンスの事例)。
この証言は、事例ページの設計を考えるうえで示唆があります。読者は事例を読んで判断していて、そのとき自分と近い属性の会社を手がかりにしています。だとすれば、載せる側がやるべきなのはただ本数を増やすことよりも、読者が近い1本を見つけられる形にしておくことです。
読者自身は導入したいと考えていても、決めるのは上長や別部門であることが少なくありません。この段階の読者は、社内で説明するための材料を探しています。
必要になるのは、変化が具体的にわかる材料です。
工数がどれだけ減ったか
期間がどれだけ短くなったか
費用がどう変わったか
読者は事例ページの内容を社内資料に転記して使います。転記できる形になっていないと、その一歩が止まります。
3つの役割すべてを、インタビュー記事のような作りこんだ形式で満たす必要はありません。事例の形式には作る手間の違いがあり、手間の少ない順に並べると次のようになります。
ロゴ・社名の掲載:掲載の許可だけで作れます
一言コメント:担当者から数行の感想をもらう形です。メールのやりとりだけで完結します
要約と変化のカード:課題・打ち手・結果を数行ずつと、変わった内容を添えます。数値でも工程でもよいので事前に聞いておけば、取材の場がなくても作れます
インタビュー記事:選定理由や現場の言葉まで入ります。取材の時間をもらう必要があり、最も手間のかかる形式です
取材の時間をもらう必要があるのは、いちばん下のインタビュー記事だけです。上の3つは、掲載の許可か短いやりとりで作れます。比較検討中の読者と稟議には、効下の2つが効きやすいです。
形式を使い分けられると、事例が1本もない状態からでも始められます。まず掲載の許可を取れた相手から社名を並べ、変化を聞けた相手をカード型にしていきます。インタビューはその後で構いません。
事例が増えるほど、読者は探しにくくなります。並べる順番を新着順にするだけでは、読者は上から順に開いて自分向けかを確かめることになります。探す軸を用意しておくと、この手間がなくなります。
軸として使いやすいのは、業種・企業規模・課題・サイト種別の4つです。すべてを用意する必要はなく、読者が自分を言い当てられるものを選びます。
軸を決めるときに気をつけたいのは、社内の製品カテゴリで切らないことです。「エンタープライズ向け」「ミッドマーケット向け」のような区分は社内では通じますが、読者は自分がどれに当たるかを判断できません。「従業員1,000名以上」のように、読者が迷わず選べる言葉にします。
サイト種別で絞り込む例としては、ランディングページの導入事例一覧のような形があります。読者は自分が作ろうとしているものと同じ種別の事例だけを見られます。
一覧ページの役割は、読者に「自分向けか」を判断してもらうことです。そのため、タイトルに添える情報は、判断に必要なものだけに絞ります。
社名:知っている会社かどうかで読む動機が変わります
業種:自社と同じ業界かを判断する手がかりになります
企業規模:従業員数の帯で示すと、体制の近さが伝わります
成果の1行:「更新にかかる日数が3日から半日に」のように、何が変わったかを一言で示します
写真とタイトルだけのカードが並んでいると、読者はページを開くまで中身がわかりません。一覧で判断してもらい、詳細ページで中身を読んでもらいます。この分担にすると、読者は関係のない事例を開かずに済みます。
一覧でも詳細ページでも、読むかどうかを最初に左右するのがタイトルです。しかもタイトルは一覧の外にも出ます。検索結果に並ぶときも、社内で共有されるときも、営業がメールに貼るときも、読者が最初に見るのはタイトルです。どこに置かれても単独で意味が通る必要があります。
入れる要素は、何が変わったかと、誰の話かの2つです。
変化を具体的に書く:「業務効率化を実現」では何が起きたかわかりません。「問い合わせ対応の工数を月40時間から10時間に」なら、読者は自社の数字と比べられます
誰の話かを添える:社名だけでは業種と規模が伝わりません。「従業員1,000名規模の製造業」のような手がかりを併記すると、読者は自分向けかを判断できます
社名だけのタイトルは避けます。読者が知らない会社の場合は中身を想像できず、開く理由がなくなります。
事例が3〜5本の段階で絞り込み機能を作ると、どの条件を選んでも0件か1件になります。読者にとっては、選んだ結果何も出てこないという体験になります。
この段階では絞り込みを作らず、全件を並べたほうが親切です。カードに業種と規模を併記しておけば、読者は目で探せます。絞り込みは本数が増えてから追加すれば足ります。
業種別にページを分けている場合も同じです。そのページに載せる事例をその業種の会社に寄せておけば、ページ内で絞り込みを用意する必要は薄くなります。
導入企業のロゴを並べる見せ方は、信頼の裏づけとしてよく使われます。ただ、ロゴが伝えるのは「名前の知られた会社が使っている」ところまでです。
読者が知りたいのは、自社に近い会社がうまくいっているかどうかです。ロゴだけでは、その会社がどんな課題を持っていて、導入後に何が変わったかがわかりません。比較検討中の読者にとっては、判断が進まないまま次のページへ移ることになります。
ロゴの掲載をやめる必要はありません。ロゴは初見の読者に対しては機能します。そのうえで、課題と導入後の変化まで書いた事例を数本用意しておくと、検討段階が進んだ読者にも応えられます。
1本の中身は、読者に疑問が湧く順に並べます。読者が最初に確かめたいのは「自分と同じ課題か」であって、会社紹介や製品説明ではありません。
構成の基本は、課題 → 検討 → 導入 → 結果の4段です。
課題:導入前に何に困っていたか。読者が自分と重ねる入り口になります
検討:何を比べ、どんな条件で判断したか。比較検討中の読者に効きます
導入:誰がどう進めたか。体制と期間がわかると、自社での見通しが立ちます
結果:何がどう変わったか。社内説明に使う材料になります
この順で並べると、読者は自分の状況に近いところから読み進められます。会社概要から始めると、読者は自分に関係があるかを判断する前に読むのをやめます。会社の情報は、記事の冒頭に小さくまとめるか、末尾に置くと収まります。
数値があると、読者はそのまま社内資料に転記できます。工数・期間・コストのいずれかで、導入前と導入後を対にして示します。
注意したいのは、取材相手の言い回しをそのまま残すことです。取材では「体感で3割くらい」「おおよそ半分」といった答えが返ってきます。これを「3割削減」「50%削減」と書き換えると、確定した数値に見えてしまいます。
後から根拠を問われたときに答えられなくなるほか、取材相手の原稿確認で差し戻される原因にもなります。「体感で」「おおよそ」といった留保は、そのまま残します。
数値そのものが手元にないこともあります。導入前を計測していなければ、前後の比較は作れません。その場合は、変化を工程で書きます。「公開までに3人の承認を通していたものが、担当者と上長の2人で済むようになった」「デザインの修正を依頼して戻ってくるまで待っていた工程が、その場で直せるようになった」のように、どの工程がなくなったかを示せば、読者は自社の進め方と比べられます。数値が取れていないことを理由に事例を諦める必要はありません。
インタビューで出た発言は、要約せずに引用の形で残す価値があります。要約すると、書き手の言葉になり、売り手側の説明に近づいてしまうことがあります。
読者が事例を読む理由は、売り手ではない人の話を聞きたいからです。「導入して助かった」という一文でも、担当者本人の言葉として置かれていれば伝わり方が変わります。
引用する箇所は、課題を語った部分と、導入後の変化を語った部分の2箇所を目安にします。全編を発言の羅列にすると、読者は要点を拾いにくくなります。
比較検討中の読者に最も効くのが、何と比べて、どの条件で決めたのかといった選定理由です。
導入後の成果は、記録が残っていればあとから調べ直せる余地があります。一方で、選定時に何を比べたかは担当者の記憶の中にしかありません。時間が経つほど思い出しにくくなり、担当者が異動すれば聞ける相手もいなくなります。選定理由は、取材の場で必ず聞いておきます。
競合名をそのまま出す必要はありません。「他のツールでは既存システムとの連携条件を満たせなかった」のように、判断した条件を書けば読者は自社に置き換えられます。
取材で決まるのは、記事の質だけではありません。誰に受けてもらえて、何を聞けたか。この2つで書ける内容の範囲が決まります。
事例制作で最初に詰まりやすいのは、書き方ではなく取材を受けてもらえるかどうかです。相手にとっては本業とは関係のない時間を使ってもらうことになるため、依頼の仕方で通りやすさが変わります。
依頼するタイミングは、成果が出た直後が通りやすくなります。数値が手元にあり、担当者の記憶も新しい時期だからです。日々のやりとりで良い反応をもらった直後も、声をかけやすい機会になります。
依頼の時点で、相手が段取りを見通せる情報を渡します。
所要時間:取材にもらう時間と、原稿確認にかかる期間
確認プロセス:公開前に必ず内容を確認してもらえること
公開時期と掲載先:どのページに、いつ載るか
あわせて、相手にとっての利点も示します。自社サイトからの露出になり、採用広報にも転用でき、担当者個人にとっては実績の記録として残ります。一方的な依頼ではなく相手側でも使える形にすると、引き受けてもらいやすくなります。
依頼と同時に決めておきたいのが、掲載できる範囲です。社名・ロゴ・数値・担当者名・顔写真は、それぞれ出せる範囲が違います。社名は出せても数値は出せない、担当者名は出せても顔写真は出せない、といった組み合わせが起こります。
これを取材後に確認すると、構成の組み直しが必要になります。載せられる数値の範囲が変われば、記事の見せ方も変わるためです。取材を依頼する段階で、どこまで掲載できるかを合意しておきます。
あわせて確認しておきたいのが、相手側の承認者です。担当者本人がよいと言っても、その会社の広報や法務が最終確認をすることがあります。誰の承認が必要かを先に聞いておくと、公開までの見通しが立ちます。
断られても、形式を軽くすれば通ることがあります。1時間の取材は難しくても、数値とコメントだけならメールで答えられる、という返事は珍しくありません。形式の段階を1つ軽い方に落として、打診し直す形です。
社名を出せない場合も、事例そのものを諦める必要はありません。「小売業・従業員300名規模の企業」のように業種・規模・課題が書けていれば、読者が自分に近いかを判断する手がかりは残ります。絞り込みの軸も同じ情報で埋まります。
匿名にする場合は、どこまでぼかすかを相手と決めておきます。業種を「小売業」までにするか「食品スーパー」まで出せるかで、読者にとっての手がかりの精度が変わります。
事例に必要な情報は、1人が全部持っているとは限りません。
なぜ導入を決めたのか、投資に見合ったのかを答えられるのは決裁者です。導入後に何が変わったか、日々の使い勝手はどうかを答えられるのは実務担当です。どちらか一方だけに聞くと、選定理由か導入後の変化のどちらかが薄くなります。
2人に別々に時間をもらうのが難しい場合は、同席してもらう方法があります。1時間の中で、前半を選定の経緯、後半を導入後の変化に分けると、それぞれの話を引き出せます。
聞く順番は、記事の構成と同じ順にします。課題 → 検討 → 導入 → 結果の順で聞くと、書き起こしがそのまま記事の流れになります。
数値は、その場で聞いても出てきません。「工数はどれくらい減りましたか」と聞いても、正確な数字を記憶している人は少ないためです。取材前に質問項目を送り、調べてきてもらいます。
数値を引き出しやすい聞き方には、いくつかの型があります。
同じ作業の前後を比べてもらう:「同じ規模のページを1本作るのに、前は何日かかっていましたか」のように、比べる単位をそろえて聞きます
関わる人数を聞く:金額がわからなくても、人数と期間なら答えられることがあります
頻度を聞く:「月に何回くらい更新していますか」から、削減された工数を見積もれます
金額を答えにくい場合もあります。そのときは工数や期間で聞くと、読者にとって十分な材料になります。
原稿確認の段階で大幅に書き換わるのは、事例制作でよく起きます。取材の場では話せた内容が、社内の確認を通ると出せなくなるためです。
競合名への言及、導入前の課題の書き方、数値の粒度は、いずれも相手企業の社内事情に触れます。このあたりが確認段階で削られやすい部分です。
対策としては、原稿確認を2段階に分ける方法があります。構成案の段階で一度見てもらい、出せない項目を先に洗い出しておきます。そのうえで本文を書けば、完成後の差し戻し量を抑えられます。
事例記事の本文は、取材した時点の話として書きます。あとから数値や発言を書き換えるものではありません。ただ、記事の中には時点を持たない情報も混ざります。社名やサービス名、担当者の氏名と部署、リンク先のURLがそれにあたります。ここが実態と合わなくなると、読者は記事全体を古いものとして受け取ります。事例ページは営業資料としても使われるため、商談の場でそのまま渡されることも起こります。
更新が止まる主な理由は、更新できる人が限られていることです。制作を外部に依頼すること自体には合理性があります。ただし、担当者名の修正のような小さな変更まで依頼を通す形になっていると、そのたびに見積もりと発注が挟まり、後回しになりやすくなります。継続的な運用まで含めた契約にしておくか、小さな修正は社内で直せる形にしておくかを、公開前に決めておきます。
社内の担当者が直接直せる状態にしておくと、更新は続きます。福利厚生サービスを提供する株式会社HQでは、デザインやコーディングの専任者を置かないマーケティングチームがサイトを運用しています。同社のマーケティング担当は、次のように話しています。
マーケティングのチームメンバーはそれぞれ別の業務と兼務しながら導入事例やセミナーページなどのコンテンツを更新しているのですが、その中でも定期的に更新できる体制が構築できました。
専任の担当者を置かず、兼務のまま続けられている点が参考になります。更新を専任者の仕事にすると、その人が動けない期間はそのまま停止期間になります(HQの事例)。
更新が続くかどうかは、編集画面が担当者の手に馴染むかにも左右されます。中国新聞社のメディア開発局では、自社の事例ページの更新を担当者自身が行っています。担当者は、その操作感について次のように話しています。
私が主に触る事例ページやお知らせページの編集は、パワーポイントを使うような感覚で非常にわかりやすく、直感的に操作できています。
事例ページを誰がどう直すかは、公開前に一度確かめておくと良いでしょう(中国新聞社の事例)。
頻度は、月次のような定期点検よりも、更新のきっかけを決めておく方が続きます。
取材先から担当者交代の連絡があったとき
記事からリンクしているページのURLが変わったとき
自社のサービス名や機能名が変わったとき
年に1度、掲載中の事例をまとめて確認するとき
このうち最後の1つだけでも決めておくと、放置されづらくなります。
事例ページは、作っただけでは読まれません。読者が事例を必要とするのは、検討の途中で迷っている場面です。その場面に置かれていないと、たどり着かないまま離脱します。
導線を置く場所として効くのは、サービスページ・料金ページ・LPの3つです。いずれも読者が「本当に効果が出るのか」を知りたくなるページです。
トップページのお客様の声の枠だけでは、この読者に届きません。トップページを見るのは検討の入り口にいる読者が中心で、比較の段階に入った読者は個別のページを見ているためです。
料金ページからつなぐ効果は見落とされがちです。金額を見た読者が次に確かめたいのは、その金額に見合う結果が出ているかどうか。ここに事例への導線があると、判断が前に進みます。
事例を読み終えて関心が高まった時に、適した導線がないと、読者は自分で問い合わせページを探すことになり、離脱につながる恐れもあります。
事例ページの末尾には、問い合わせや資料請求への導線を置きます。あわせて、関連する事例へのリンクを添えると、1本目で判断がつかなかった読者が2本目に進めます。同じ業種の事例、同じ規模の事例を並べると、読者は自分に近い方を選べます。
事例ページで起きやすいつまずきには、共通した型があります。
ロゴだけを並べて中身がない:初見の読者には効きますが、比較検討中の読者には判断材料になりません
「満足しています」で終わり、何が変わったか書いていない:数値でも工程でもよいので、変化がわからないと社内で説明する材料になりません
全部が同じ書式で差がわからない:テンプレートに沿って作ると読みやすくなる一方、どの事例も同じに見えて選べなくなります。課題と成果の部分だけでも、事例ごとの言葉で書き分けます
更新が止まり、古い情報のまま商談で使われる:担当者名や部署名、リンク先が実態と合わなくなります
掲載範囲の許諾を取らずに載せてしまう:公開後の取り下げは、相手企業との関係に影響します
本数を増やすことが目的になる:月に何本という目標だけが残ると、1本あたりの密度が下がりやすくなります
このうち最後の1つは、事例制作が軌道に乗ってきた頃に起きます。本数はわかりやすい指標ですが、読者が自分に近い1本にたどり着けたかどうかとは別の話です。
事例を増やすほど成果が伸びるとは限りません。増やすべきなのは本数ではなく、読者が探しているものと手元にあるものが重なる確率です。近い1本が見つかり、その中身が社内での説明に耐えるとき、事例ははじめて商談を前に進めます。
作る順番としては、まず1本を課題 → 検討 → 導入 → 結果の構成で仕上げることから始められます。取材では選定理由と、変化がわかる材料を必ず聞き、掲載できる範囲は取材前に合意しておきます。絞り込みの仕組みは、本数が増えてから追加すれば間に合います。
公開後は、誰が更新できるかを決めておくところまでが設計に含まれます。更新の手が社内に届く状態になっていれば、事例は商談で使える情報のまま保てます。
作りの実例を見ておきたい場合は、Studioの導入事例一覧も参考になります。カードのタイトルに成果を入れ、社名と業種、企業規模を添える形で、業種・企業規模・サイト種別で絞り込めるようにしています。
広告代理店・SaaS企業を経て、現在はStudioでマーケティングを管掌。
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